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Mistakes Are the Stepping Stones to Learning
英語の間違いは英語習得への近道
英語学習は、他の学習と同様、山あり谷ありの冒険です。充実し、挑戦しがいのあるアクティビティです。しかし、適切な難易度で学習することが言語習得の鍵です。そこで、適度な挑戦という考え方が重要になります。適度な挑戦とは、課題が簡単すぎず、難しすぎないことを意味します。自分のストレスのない居心地の良い環境や精神状態からはみ出しながらも、努力次第で達成可能なものでなければいけません。難易度が低すぎると、進歩も学習も制限されます。逆に、難易度が高すぎると、ストレスがたまり、やる気を失ってしまいます。それだけでなく、学習の理解に困ることで学習内容が定着しません。英語 間違い。
英語学習の適度な難易度は人それぞれです。しかし、自分のレベルに合ったものからより難しいものへと段階的に難易度を上げていきます。初心者なら、より単純な文法構造からより複雑な文法構造へ、あるいは基本的な語彙からより高度な単語やフレーズへと徐々に移行していくことを意味します。同様に、児童書から大人向けの小説へ、テレビ番組の字幕付きから字幕なしへと、徐々に移行します。
適度な挑戦がある限り、誰もが学習に躓きます。その中で躓きや間違いに対する前向きな考え方・捉え方が大切です。また、英会話がうまくできなくても、自分の知っている範囲の英語を使ってアウトプットをたくさんしましょう。
英語の間違いを学習の機会として再定義する
試験などのせいか、間違いが失敗と見なされることが多くあります。しかし、それは間違った見方です。なぜなら、間違いは学習の一部であり、それ自体が知識と理解を深めるための重要なステップであるからです。英語の間違いを恐れて避けることは、学習過程を遅らせ、英語能力の向上を妨げる可能性があります。
逆に、英語の間違いを学習の機会として捉えることで、あなたの英語学習は新たな段階に進むことができます。間違いから学び、それを修正することで、英語の理解が深まり、言語スキルが向上します。英語の間違いは、まだ学習しなければならない部分を明らかにする鏡のようなものです。
ですから、「間違えるのは当たり前だ」または「間違いは学習の機会だ」と自分に言い聞かせましょう。また、子どもたちへの声かけにも工夫が必要です。子どもたちが英語で間違えた場合、叱ったりせずに、間違いから学ぶことを促しましょう。間違いを通じて成長し、次に正しくできるようになることが重要です。ポジティブなフィードバックを与え、彼らの自信と好奇心を育てることで、学びの意欲を引き出しましょう。
英語学習における失敗と恐怖の心理
英語学習、特に英会話、における失敗への恐怖は、多くの学習者が直面する問題です。間違いを恐れることで、新しいことを試したり、挑戦したりすることを避ける傾向があります。失敗恐怖症の心理は、完璧主義や自己評価の過度な依存によるものであることが多いです。完璧主義な考えは、自分の価値を成功に結びつけ、間違いを自分の能力の欠如と捉える傾向があります。しかし、これは学習過程を妨げます。そのため、失敗の恐怖を克服するには、間違いを学習の一部として受け入れることが重要です。
また、英語学習者が英語を使うと、英語圏の外国人に笑われることがよくあります。しかし、あなたのことを馬鹿にしているのではなく、間違った英語を面白く感じているだけです。外国人が日本語を話している時に、間違った表現がおかしくて、私たちがくすくすと笑うことと同じです。本気に馬鹿にして笑う人たちは外国語を学ぶことがどれだけ難しいか知らないだけです。ですから、馬鹿にして笑う人たちの意見を気にしないことが大切です。
英語の間違いに対する考え方を変えて恐怖を克服する
英語を使う恐怖を克服するための方法が三つあると思います。
(1)人の前で間違える経験(特に会話の場合)をたくさんすることです。小さな挑戦からで良いので間違える経験を積み重ねましょう。
(2)英語の間違いに対する考え方を変える努力をしましょう。「英語を間違えるのは当たり前だ」といった文を目に見えるところに書き込みましょう(例えば、普段使うノートや参考書に)。そうすることで、毎日そのメッセージを自分に言い聞かせることができます。また、自分の課題や成長を他人と比べない意識も大切です。
(3)間違いをしやすい環境を作る。または、遊び感覚で学べる環境を作る。例えば、「英語を間違えるのは当たり前だ」と考える英語学習の仲間を作りましょう。スクールなどに通おうとお考えの方は、スクール選びの際、講師の間違いに対する態度にも気をつけましょう。
これらのポイントを活用することで、英語の学習効率を向上させることができます。間違いを恐れず、それを学習の機会として捉えましょう。間違いを恐れることなく、間違いから学べる方は、英語のみならず、すべての学習(仕事、学校、家庭)に効率よく取り組むことができます。
最後に、間違えることが失敗ではなく、間違いから学ばないことが失敗なのかもしれません。
参考:
- Bjork, R. A., & Bjork, E. L. (2020). Desirable difficulties in theory and practice. Journal of Applied research in Memory and Cognition, 9 (4), 475-479. (英記事)
- Manz, Charles. The power of failure: 27 ways to turn life’s setbacks into success. ReadHowYouWant. com, 2011.(洋書)
- Dweck, Carol. Mindset-updated edition: Changing the way you think to fulfil your potential. Hachette UK, 2017.(洋書)
- Hyatt, Carole, and Linda Gottlieb. “When smart people fail.” (1987).
- Eggleton, Patrick J., and Carla C. Moldavan. “The value of mistakes.” Mathematics Teaching in the Middle School 7, no. 1 (2001): 42-47.
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