「失敗」「間違い」の英語は?mistake・error・fault・failure の使い分け

英単語・表現

海外の友達に送ったメッセージで、待ち合わせの時間を1時間まちがえて伝えていたことに気づきます。「さっき送った時間、間違ってた」と打とうとして、手が止まる。mistake なのか error なのか。辞書を引くと mistake, error, fault, failure, slip, blunder がずらりと並び、どれにも「間違い」「失敗」と書いてあります。

これらは言い換えではありません。同じ出来事の、別の面を指しています。

「間違い」の基本形は mistake です。error は正しい基準からのずれを指し、書類や数値や機械の話に寄ります。fault が言うのは行為ではなく責任の所在で、failure は出来事ではなく「達成できなかった」という結果を指します。そして日本語の「ミス」は、英語の miss と同じではありません。

 

mistake・error・fault・failure クイズ

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発注ミスというひとつの出来事を4語で切り分けた図。mistakeは間違えた行為そのもの、errorは正しい基準からのずれで書類や数値の話に寄る、faultは誰のせいかという責任の所在、failureは達成できなかった結果。missは「逃す・外す」の意味で、この場面では使えません。
4語は言い換えではなく、同じ出来事の別の面を指しています。

日本語の「ミス」は、英語の miss ではありません

「ミスをしました」を I missed. と言うと、相手には「何かを逃した」「乗り遅れた」と伝わります。間違えたという意味にはなりません。「失敗」「間違い」の意味では、名詞でも動詞でも miss は使えません。

英語の miss は、届かなかった・外れた・逃した、という意味です。

言いたいことが「間違えた」なら、I made a mistake. です。ここでの動詞は make で、do ではありません。I did a mistake. も意味は通じますが、学習者がよくやる不自然な言い方の典型です。effort, change, progress, mistake はどれも make と組む、とまとめて覚えておくと迷いません。

ちなみに mistake には動詞の用法もありますが、意味がずれます。mistake A for B で「AをBと取り違える」。The auctioneer mistook my nod for a bid. のように使う語で、「間違いをする」という意味では使えません。

mistake と error はどう違いますか

mistake は日常の広い語で、error はやや硬く、正しい基準があってそこからずれた、という感じが出ます。

error は基準や指針の存在を前提にしていて、そこから外れることを指します。mistake のほうは思い違いやうっかりを含意していて、error よりも批判の色が薄いことです。同じ出来事でも、error と呼んだ瞬間に「本来こうあるべきだった」という物差しがくっついてきます。

実際の使われ方も、その物差しの有無に沿って分かれます。

迷ったら mistake で困りません。error は mistake のやや改まった言い換えという位置づけで、逆に、書類や数値やシステムの話をしているなら error のほうが収まりがよくなります。発注書の数字が違っていたなら There was an error in the order form. が自然です。

なお commit an error という言い方も存在しますが、かなり硬く響きます。日常会話で使う語ではありません。

fault は「間違い」ではなく「誰のせいか」を言う語です

fault が指しているのは行為そのものではなく、責任の所在です。

fault の語義は「間違い、とくに自分に責めがあるもの」。mistake に「誰が悪いのか」という問いが加わった語だと考えると近いです。だから It was my mistake. と It was my fault. は、日本語にするとどちらも「私のミスです」になりますが、後者のほうが重く響きます。前者は「間違えたのは私です」、後者は「責任を負うのは私です」に近いです。

fault にはもう二つ、日本語の「失敗」からは離れた意味があります。ひとつは機械や設計の欠陥。a design fault、an electrical fault のように使い、この場合は誰も悪くありません。もうひとつは人の欠点で、He has many faults, but dishonesty isn’t one of them.(欠点は多いが、不誠実ではない)のように言います。

この違いは会話で表に出ます。同僚のちょっとした手違いに It’s your fault. と言えば、間違いの指摘ではなく責任の追及になってしまう。行為だけを問題にしたいなら I think there’s a mistake here. で足ります。

failure は出来事ではなく、結果を指します

failure は「うまくいかなかった」という結果そのものを指す語で、個々の間違いを指す語ではありません。

failure は、何かを成し遂げようとして成功しないこと、と定義される語です。対義語は success。Their first attempt to climb Mount Everest ended in failure. のような例が典型です。挑戦があって、それが実らなかった。その一部始終を指すのが failure です。

ここが日本語との一番大きなずれです。日本語の「失敗しました」は、書類の数字を打ち間違えた程度のことにも使えます。それをそのまま I failed. と言うと、相手は「何かに挑戦して達成できなかった」と受け取ります。仕事で書き損じたのなら I made a mistake. です。

failure が正しく効くのはこういう場面です。

もうひとつ、覚えておいて損のない用法があります。failure は人そのものを指せます。I felt like a complete failure.(自分は完全な落伍者だと感じた)。これはかなり強い言葉です。日本語で「失敗しちゃった」と軽く言う感覚で I’m a failure. と口にすると、自己否定の宣言として聞こえます。

blunder、slip、oversight。もう少し細かく言い分けたいとき

間違いの種類を言い分ける語は、大きさ・原因・現れた場所の三つで分かれます。

error, mistake, blunder, slip, lapse は、原因の違いで整理できます。blunder は愚かさや無知が原因で、いくらか非難が含まれる。slip のほうは不注意や偶然を強調していて、些細だけれど気まずい、という間違いに使います。lapse が指すのは、忘れていた、気が緩んでいた、という原因のほうです。

どんな間違いか
blunder重大で、不注意や考えの浅さから来たものa major political blunder(政治的な大失策)
slip小さく、うっかりしたものIt was an understandable slip.(無理もない間違いだった)
lapseど忘れ・注意が切れたことによるものa lapse in judgment(判断力が一瞬鈍ったこと)
oversightやるべきことを忘れて起きたものdelayed because of an oversight(見落としで遅れた)
mix-up取り違えて混乱を招いたものa mix-up with the bags(荷物の取り違え)
gaffe話していて口にしてしまった、気まずいものI made a real gaffe.(まずいことを言ってしまった)
slip of the tongue言うつもりのなかったことを言ってしまうことIt was a slip of the tongue.(言い間違いです)
typo / misprint文字として現れたものfull of misprints(誤植だらけ)

「間違いの種類を表す英単語8語の一覧表。blunderは重大で不注意によるもの、slipは小さくうっかりしたもの、lapseはど忘れによるもの、oversightは見落とし、mix-upは取り違え、gaffeは口にしてしまった気まずい発言、slip of the tongueは言い間違い、typoとmisprintは文字上の誤り」。大きさより先に原因を選ぶと、言葉は自然に決まります。

間違いの「重さ」を形容詞で調整するやり方もあります。a silly mistake(ばかげた)、a careless mistake(不注意な)、a big mistake、a terrible mistake、a costly mistake(高くついた)。経験の浅さから来る初歩的な間違いは a rookie mistake、イギリス英語では a schoolboy error とも言います。

mess up と screw up は、どこまで使っていいですか

どちらも「やらかした」に当たる口語で、仕事のメールには使いません。

screw up には informal のラベルが付きます。「ひどい間違いをする、ばかなことをする」という意味で、mess up がほぼ同義語です。この延長線上には taboo や slang のラベルが付く語も並びますが、screw up はそこまで下品ではない、ぎりぎり手前の語です。

相手を screw-up と名詞で呼ぶと「いつも失敗する人」という人格への評価になります。自分について I screwed up. と言うのは自由ですが、他人には向けないほうが安全です。

ケアレスミス、イージーミスは英語でどう言いますか

ケアレスミスは careless mistake でそのまま通じますが、イージーミスは英語にすると別の意味になります。

ケアレスミスの訳語には careless mistake が定着していて、動詞は make です。I made a careless mistake. で問題ありません。気をつけたいのは careless miss と言ってしまうことで、これは前述のとおり成立しません。

イージーミスのほうは事情が違います。英語の an easy mistake to make は「やってしまいがちな間違い」で、責める言葉ではなく、むしろ相手をかばう言葉です。Don’t worry about it. it’s an easy mistake to make! という言い方が典型で、これは「そんな簡単なことを間違えるなんて」ではありません。日本語のイージーミスを言いたいなら、a careless mistake か a silly mistake のほうが近くなります。

子どもの英語の間違いを指すとき、どの語なら安全ですか

mistake を使ってください。この語が指すのは行為であって、人そのものを指す用法がありません。

気をつけたいのは failure です。この語には人そのものを指す用法があり、辞書の例文にも I felt like a complete failure. や He was a failure as a teacher. が並びます。子どもの答案の間違いを failure と呼ぶと、英語としては「この子自身がうまくいっていない」という意味に寄ってしまいます。fault も同じ理由で向きません。責任の所在を言う語なので、間違えたこと自体を咎める響きになります。

行為だけを指す言い方なら、そこは避けられます。That’s a common mistake.(よくある間違いだよ)、It’s an easy mistake to make.(間違えやすいところだね)。どちらも間違いがあったことは伝えつつ、子ども本人を否定していません。

英語を間違えることそのものへの怖さについては、英語の間違いは失敗じゃないで別に書いています。

よくある質問

mistake と error、どちらか一つだけ覚えるならどちらですか

mistake です。日常のほぼすべての場面で使えて、改まった場でも失礼になりません。error は書類・数値・機械・システムの話をするときに選べばよく、それ以外では mistake で置き換えられます。逆は必ずしも成り立ちません。I made an error. は言えますが、error message を mistake message とは言いません。まず mistake を確実にして、そのあと error を使う場所だけ覚える。この順番が一番の近道です。

「私のミスです」と英語で言うとき、mistake と fault のどちらを使いますか

行為を認めるなら It was my mistake.、責任まで引き受けるなら It was my fault. です。日本語ではどちらも「私のミスです」になりますが、英語では重さが変わります。社内で数字を打ち間違えた程度なら前者で十分。後者を使うと、必要以上に責任を背負ったように響くことがあります。逆に、こちらの落ち度で相手に実害が出た場面では It was my fault. のほうが誠実に聞こえます。

failure と fail の使い分けを教えてください

failure が名詞で、fail が動詞です。I failed the exam.(試験に落ちた)のように、動詞は目的語を直接取れます。名詞のほうは The project was a failure.(あの企画は失敗だった)と、結果そのものを名指しする形。もう一つ、failure to do something という形があり、これは「やるべきことをやらなかった」という意味になります。単なる不成功ではなく義務や期待に応えなかったという含みが入るので、契約書や規約でもよく見かけます。

「間違いを直す」は英語で何と言いますか

correct a mistake、または fix an error です。correct は正しい形に直すことを指し、書き言葉でも話し言葉でも使えます。fix はやや口語寄りで、システムや機械の不具合にもよく使われます。自分の間違いを認めて訂正する流れなら、I’m sorry, I made a mistake. Let me correct that. のようにつなげると自然です。誤字の訂正なら fix a typo が一番よく合います。

Everyone makes mistakes. は決まり文句ですか

はい、日常的によく使われる励ましの言い方です。Anyone can make a mistake.(誰にでも間違いはある)も同じ役割で使われる言い方です。複数形の mistakes になっている点が地味に大事で、Everyone makes a mistake. とすると「みんなが一つずつ間違える」という妙な意味に傾きます。文の形ごと、慣用句として覚えてしまうのが早い表現です。


参考文献