この記事では、『tell』 と 『say』 の違いを紹介します。能動態の『tell』 と 『say』、受動態の『tell』 と 『say』を分けて紹介します。
その前に、能動態と受動態とはなんでしょうか?
能動態(Active Voice)では、文の主語が動作を行う主体となります。
簡単に言うと、主語が動詞の動作を実行する構文です。
日本語例:先生が生徒たちを教える。
(先生が主語)
受動態(Passive Voice)では、文の主語が動作を受ける側となります。
つまり、主語が動詞の動作の対象となる構文です。受動態の文は、能動態の文を変形させて作ります。
日本語例:生徒たちは先生によって教えられる。
(生徒たちが主語)
目次
tell と say の違い (能動態)
『Tell』
Tell には目的語(伝えられる相手)が必要です。
構文(現在形): 主語 + tell(s) + 誰か(me, him, her, themなど) + 何か
正しい: Alice tells me that he will be late.
(アリスは私に遅れると言います。)
不正確: Alice tells that he would be late.
正しい: The teacher tells the students the instructions.
(先生は生徒たちに指示を伝える)
不正確: The teacher tells the instructions.
また、以下の例文は目的語を含むため、どちらの表現も正しいですが、日常英語では最初の表現の方が自然な英語です。
自然な言い方: She tells him a secret.
(彼女は彼に秘密を教える。)
不自然な言い方: She tells a secret to him.
過去形
構文: 主語 + told + 誰か + 何か
例: She told him the news.
(彼女は彼にニュースを伝えた)
未来形
構文: 主語 + will tell + 誰か + 何か
例: She will tell him the news.
(彼女は彼にニュースを伝えるだろう)
『Say』
Say は伝えられる相手が必要ありません
構文: 主語 + say(s) + 何か
正しい: Julie says she would come to the party.
(ジュリーはパーティーに来ると言う。)
不正確: Julie s me that he would be late.
過去形:
構文: 主語 + said + 何か
例: She said she would come.
(彼女は来ると言った)
未来形:
構文: 主語 + will say + 何か
例: They will say they are ready.
(彼らは準備ができたと言うだろう)
直接話法: 直接引用を導入するためによく使われます。
例: She said, “I will be late.”
(彼女は「遅れる」と言った)
間接話法: 目的語と一緒に使えますが、通常は人の前に『to』を必要とします。
正しい: She said to me that she would be late.
(彼女は私に遅れると言った)
間違い: She said me that she would be late.
不自然:She said that she would be late to me.
tell と say の違い (受動態)
『Tell』
tellの場合、受動態でも伝えられる相手が必要ですが、伝えられる相手が目的語ではなく、主語になります。
構文: 主語 + be動詞 + told + 何か (by 誰か)
『tell』を使った受動態の文では、主語の時制や数に応じて「be動詞」が使われます。
受動態の構文では常に『be動詞』を使い、動詞『tell』は時制に関係なく『told』の形になります。
主な『be動詞』一覧:
現在形: am, is, are
過去形: was, were
未来形: will be
現在完了形: have been, has been
例: He was told the news (by her).
(彼は(彼女から)ニュースを伝えられた)
過去形
構文: 主語 + was/were + told + 何か (by 誰か)
例:The students were told the instructions (by the teacher).
(生徒たちは(先生から)指示を伝えられた)
未来形
構文: 主語 + will be + told + 何か (by 誰か)
例: The students will be told the instructions (by the teacher).
(生徒たちは(先生から)指示を伝えられるだろう)
『say』
Say の受動態も伝えられる相手が必要ありません。
構文1: it + be動詞 + said + that節
- 例: It is said that she is talented.
(彼女は才能があると言われている)
構文2: 主語 + be動詞 + said + to不定詞
- 例: She is said to be talented.
(彼女は才能があると言われている)
過去形
構文1: it + was said + that節
例: It was said that he had left the country.
(彼が国を離れたと言われていた)
構文2: 主語 + was said + to不定詞
例: He was said to have left the country.
(彼は国を離れたと言われていた)
未来形
構文1: it + will be said + that節
例: It will be said that the decision was wise.
(その決定が賢明だったと言われるだろう)
構文2: 主語 + will be said + to不定詞
例: The decision will be said to have been wise.
(その決定が賢明だったと言われるだろう)
命令を報告する場合
Tell は命令文を報告する際に使用され、この場合「tell」の後には直接目的語と「to + 不定詞」が続きます。
例: She told me to sit down.(彼女は私に座るように言った。)
このように、”tell” と “say” はそれぞれ独自の文法規則と用法があり、希望される内容に応じて適切な形を選ぶことが重要です。
関連ページ:
コーセラで学ぶ(日本語可):英語初級文法